生理前や生理中には、ホルモンバランスの乱れによって肌の調子がよくないと感じる女性は少なくありません。
毎月同じようなタイミングで肌荒れを起こしてしまう場合は、適切なスキンケアでしっかりと対策するのが一番です。
本記事では、生理前に肌の調子が悪くなってしまう理由と、おすすめのスキンケア方法を紹介していきます。
生理前から生理中に起こりがちな肌トラブル
生理前になると決まって肌荒れを起こしてしまうという女性は、決して珍しくはありません。
多くのケースでは、生理が始まる1週間くらい前から
- お肌が敏感になる
- ニキビや吹き出物ができやすくなる
- シミや色素沈着が目立つようになる
- 肌がやたらとテカるようになる
- 化粧ノリが悪くメイクがいまいち決まらない
といった肌トラブルが多くなりがちです。
こうした肌トラブルは生理前から始まり、生理開始後も継続して起こるケースが多くみられます。
これは女性ホルモンの分泌量の変化が大きく関係しています。
生理前の肌トラブルの原因は黄体ホルモン
この肌トラブルを引き起こす主な原因は、『黄体ホルモン』と呼ばれている女性ホルモンです。
この黄体ホルモンは排卵後から分泌量が増え、生理予定日の1週間ほど前頃に分泌量のピークを迎えます。
黄体ホルモンは子宮内膜に厚みを持たせたり体温を上げたりなど、妊娠に備える働きをするホルモンです。
ですが、分泌量が増えることで、以下のような症状を起こすこともあります。
- 腸のぜん動運動を抑え便秘がちに
- 皮脂の分泌を促す作用がある
- 骨盤内に血液をためるため、血行が悪くなる
- 身体に水分を蓄えるため身体がむくみやすくなる
- 気分の落ち込みをまねき抑うつ状態になりやすい
上記の症状などが関係し、肌荒れなどにつながっていきます。
皮脂分泌が増えることでニキビや吹き出物が出やすくなる
お肌が黄体ホルモンの影響を多く受けるのは、この皮脂分泌量の増加によるものです。
皮脂が多く分泌されると、毛穴に皮脂が詰まってしまいやすくなります。
結果アクネ菌が増え、ニキビや吹き出物の発生を招いてしまうのです。
便秘がもとで肌が荒れやすくなる
黄体ホルモンには、大腸のぜん動運動をおさえる作用もあります。
ぜん動運動とは、消化した食べ物を腸の収縮や弛緩によって動かし、身体の外へと運び出す動きのことです。
このぜん動運動が弱まると、うまく便が排出されず便秘がちに。
便秘になると悪玉菌が増え、腸内にアンモニアなどの悪外物質を作り出してしまいます。
この物質が体内に吸収されてしまうことで、肌荒れなどを起こしてしまうといわれています。
気分の落ち込みやイライラから暴飲暴食がちに
生理前になるとついイライラしてしまい、ついつい食べ過ぎてしまうという人もいるでしょう。
こうした暴飲暴食を繰り返すことにより、胃腸に負担がかかって肌が荒れやすくなる場合もあります。
また生理前にはホルモンバランスの変化から、不眠や寝つきの悪さを感じ、睡眠不足から肌が不調になってしまうこともあるのです。
血行不良により肌が不調に
生理前には、骨盤周りに血液が集まるため、身体全体の血行が悪くなりがちです。
そのため肌細胞へ栄養がいきわたらず、乾燥やくすみ、シミや色素沈着などが目立ちやすくなります。
肌のターンオーバーも低下するため、バリア機能の低下などにもつながるのです。
あまりにも症状が重い場合はPMSの可能性も
このように黄体ホルモンの分泌増やホルモンバランスの変化などから、お肌にさまざまな不調が現れる女性は少なくありません。
ですがあまりにも症状が重い場合やこの時期に突出する場合には、PMSの可能性も考えられます。
PMSとは月経前症候群と呼ばれ、さまざまな身体症状や精神症状を引き起こすものです。
下記のような症状がみられる場合もあり、それぞれで症状の有無や重さも異なります。
- 肌トラブル
- 体のだるさ
- 胸の張りや痛み
- 体全体のむくみ
- 食欲不振または暴食
- 腹痛やお腹の張り
- 腰痛
- 頭痛
- 頭痛
- 強い眠気
- イライラや怒りっぽさ
- 気分の落ち込みやうつ症状
もしも毎月上記のような症状がみられ、つらい思いをしているようであれば、PMSの可能性を考えても良いかもしれません。
PMSは適切な治療を受けることで症状を緩和・改善できますので、つらい場合には一度専門医に相談してみることをおすすめします。
生理前の肌トラブルを防ぐスキンケア方法
生理前の肌トラブルを防ぐため、この時期のスキンケアとしては「皮脂対策」と「保湿」の徹底が重要になります。
皮脂対策といっても、過剰に洗いすぎるのはかえって皮脂分泌を増やしてしまうため注意が必要です。
毛穴のつまりなどが気になる場合は、皮脂ケア用の洗顔料を使い、いつも通り朝と晩の2回洗顔しましょう。
なによりも大切なのは洗顔後の保湿です。
肌バリアが低下しており、保湿が十分でないと皮膚を保護するために皮脂が出すぎてしまったりします。
いつもよりも多めの化粧水を、肌にたっぷりと与えてあげましょう。
お肌が敏感になっている時期ですので、特殊なクリームや美容液などは避けて、保湿中心のシンプルなケアに徹底することが重要です。
できればメイクも軽めにし、毛穴をふさがないよう心掛けたほうがよいでしょう。
血行促進やむくみ取りもおすすめ
血行不良による肌のくすみや新陳代謝の低下、むくみなどを予防するための軽い運動や入浴もおすすめです。
また十分な水分補給も大切です。
水分をためこみやすい状態ではありますが、むくみやすいからと水分を控えると、かえって血流低下や代謝低下を招いてしまいます。
体を乾燥させないよう、適度に水分を取ることも意識しましょう。
生理中も引き続き肌に優しいスキンケアを継続
生理開始頃には、黄体ホルモンの分泌量も減少し、皮脂の分泌も落ち着いている状態です。
ですが水分と皮脂の両方が不足し、肌が非常に乾燥している時期となります。
引き続きしっかりと保湿をし、乳液で油分をプラスして肌を保護するケアが最適です。
なお皮膚のバリア機能も低下しているため、この時期は過度な刺激はNGです。
強い紫外線やシェービングなど、肌への刺激となるような行為は避けるのがベター。
普段使っていない化粧品やスキンケア品を試すのも、この時期以外にしておいた方がよいでしょう。
生理の肌トラブルのまとめ
生理前から生理中にかけては、ホルモン分泌の影響でお肌が荒れがちです。
この時期のスキンケアのポイントとしては、とにかく保湿が重要です。
過度な刺激は避け、十分な保湿を心がけて、ゆったりとした気持ちで過ごすようにしましょう。