海水浴へ行くと、髪はさまざまな刺激を受け、多くのダメージを受けます。
ギシギシ、ゴワゴワ、パサつきなど。
ときには取り返しがつかないほどまで、髪を傷めてしまうこともあるのです。
潮風や海水、日差しなどを浴びたときには、しっかりとヘアケアを行うことが大切です。
本記事では、海水浴による髪の毛のダメージと、そのケア方法や予防策などについて解説します。
海水浴で受ける髪のダメージ
海水浴を存分に楽しんで帰るころには、髪の毛がゴワゴワ&キシキシになっていたという経験はありませんか?
これには海水浴場に潜むいくつかの原因が関係しています。
ひとつは「紫外線」によるダメージ、そしてもうひとつは「海水」にるダメージです。
紫外線による髪へのダメージ
紫外線によって肌が日焼けをするように、髪の毛も紫外線を浴びるとダメージを受けてしまいます。
日に焼けた髪は、キューティクルが剥がれ落ち、乾燥やヘアカラーの色あせなどを引き起こしてしまうのです。
これにより、髪の潤いは失われてパサパサに。
せっかくかわいく染めたカラーリングも、色が落ちてツヤのない印象になってしまいます。
海水による髪へのダメージ
海水浴で海に入る場合には、海水によるダメージにも注意が必要です。
海水の成分である「塩化マグネシウム」には、髪の主成分であるケラチンを硬化させてしまう働きがあります。
これにより髪の毛はキシキシとした手触りになってしまいます。
また海水のphは8.1程度の弱アルカリ性であることも、髪へのダメージを強める原因に。
ケラチンはアルカリ性に弱く溶けだしやすい性質があるため、海水に濡れることで中身がスカスカになり、髪本来のツヤを失ってしまうのです。
海水浴は髪が繰り返しダメージを受けやすい環境
紫外線も海水も、どちらも髪にとってよいものではありません。
さらに海水浴は、日差しと海水によるダメージを繰り返しうけやすい環境です。
紫外線によってキューティクルが剥がれ落ち、海水によってケラチンが流出。
そこへ塩分を含んだ潮風による摩擦を受けて、さらにキューティクルが剥がれ落ちるといった悪循環を招いてしまうのです。
海水浴でダメージを受けた髪はどうなるの?
キューティクルが剥がれ落ち、ケラチンが流出してしまった髪の毛。
その後、なにもケアせずに放置してしまうと、髪の毛はますますダメージを受けてしまいます。
たとえばこんなトラブルも…
- 乾燥してパサつき、広がる
- 枝毛や切れ毛を招く
- 色落ちが進んで余計に傷んで見えるように
さらに心配なのは、抜け毛です。
紫外線は髪の毛だけでなく、頭皮にも深刻なダメージを与えています。
日焼けした頭皮は毛根へじゅうぶんに栄養を送れなくなり、髪の毛が抜けてしまう原因をつくってしまいます。
毛穴にまでダメージが及べば、健康な髪の毛がなかなか生えてこないといった事態を招いてしまう可能性もあるのです。
髪のダメージを防ぐ予防策
海水浴を存分に楽しむためには、事前の予防と海水浴後のケアが重要です。
まずは海水浴へ行く前にやっておくべき、予防策から紹介しましょう。
髪の毛専用のUVカットスプレーやクリームをつける
髪の毛を紫外線のダメージから守る、髪の毛専用のUVカットスプレーなどの使用がおすすめです。
さまざまなタイプのUVカットスプレーが市販されていますが、海水浴で使うなら、「SPF50+・PA++++」のUVカット率が高めのものがよいでしょう。
スプレーするときは髪の表面だけでなく、毛先を含めて全体にまんべんなく吹きかけるのがポイント。
余り近づけてスプレーするとべたつきやキシつく原因となりがちなので、10~5cmほど離してスプレーするようにします。
日ごろからパサつきがちなタイプの人などは、UVカットクリームやUVカットミルク、UVカットケアオイルなど保湿性の高いアイテムを併用するのもおすすめです。
どちらを利用する場合でも、しっかりとSPFやPAの数値を確認して、効果的なアイテムを選ぶようにしましょう。
なるべく髪をタイトにまとめる
髪にある程度の長さがある場合には、まとめ髪にすることで紫外線や潮風にさらされる面を減らす対策が可能です。
とはいえ、単にひっつめてしまうだけでは、テンションが上がりませんよね。
水着やビーチスタイルに合うよう、おしゃれも大切です。
たとえばお団子スタイルにしておくれ毛を出すアレンジや、編み込みのツインテールなどもおすすめです。
サーフハットを被る
紫外線から髪の毛を徹底的に守るなら、スイムキャップが最強だといわれています。
ですがせっかくの海水浴、プール授業で使うようなピタピタの水泳帽は、あまりにも不向きですよね。
最近ではとてもおしゃれでかわいいサーフハットやサーフキャップなどもありますので、水着などに合わせて選ぶのもよいでしょう。
とくにツバが広めのサーフハットなどは、目や顔まわりの日焼け対策としてもおすすめです。
サーフハットとは、防水性に優れた素材で、風に飛ばされにくいよう紐などで留められるのが特徴の帽子です。商品によってはUVカット素材で作られているものもあります。
専用の商品でなくとも、撥水サファリハットなどでも大丈夫。
紫外線をしっかりと防げるものであれば、いわゆる麦わら帽子やストローハットでもOKです。
海水浴後のヘアケアでしっかりと髪を保護
海水浴を存分に楽しんだ後は、しっかりとヘアケアをして髪をダメージから守ってあげることも大切です。
海水浴後のケアについても紹介しましょう。
まずは簡易シャワーで塩分を流す
海水浴を楽しんだら、帰宅前に簡易シャワーなどで髪についた塩分を洗い流しておきましょう。
海水浴場に併設の簡易シャワーでは、シャンプーやソープの使用が禁止されているところも少なくありません。
ひとまずは真水で構いませんので、髪のついた塩水や砂などを落としておくようにしましょう。
※シャンプーの使用が許可されている施設の場合は、この限りではありません。
シャンプーで洗って髪をリセット
帰宅後あらためて、シャンプーを使ってしっかりと髪を洗います。
真水やぬるま湯だけでは、髪についた塩などは十分に取り切れていません。
できるだけ摩擦をかけないよう、頭皮と髪を優しくシャンプーで洗いあげましょう。
また塩水が付いた状態の髪は弱アルカリ性に傾いてしまっているので、phを整えてあげることも必要です。
ここで大切なのは、洗った後にしっかりとトリートメントやコンディショナーを使用すること。
シャンプーの多くは弱アルカリ性や弱酸性のものが一般的のため、シャンプーで洗っただけではキューティクルが開きっぱなしの状態です。
対してトリートメントやコンディショナーの多くは弱酸性のため、phを中性よりに整えてキューティクルを閉じてくれる効果があります。
シャンプー後はトリートメントやヘアマスクなどを使用し、開ききったキューティクルを引き締めてあげることも大切なのです。
流さないトリートメントやオイルで保湿
海水浴でさまざまなダメージを受けた髪の毛は、栄養が失われてパサつきがちです。
シャンプー後は流さないヘアトリートメントやオイルなどで、しっかりと保湿をしてあげるのがおすすめ。
しっかりと保護をしてあげることで、ダメージに強い髪にもなりますし、ドライヤーの熱から保護もできます。
洗った後はタオルドライでしっかりと水気を取り除き、毛先までまんべんなくトリートメントしてあげましょう。
濡れたままにせずにドライヤーで乾かす
髪を洗った後は、ドライヤーでしっかりと乾かしてあげることも大切です。
なかにはドライヤーの熱で髪にダメージを受けると思っている人もいるようですが、それは全くの誤解。
自然乾燥の方がよいのでは?と思われている人も多いですが、濡れたまま放置しておく方が髪にとっては負担が大きいのです。
濡れた状態の髪はキューティクルが少し開いており、髪の中の水分が飛びやすく摩擦にも弱いなどダメージを受けやすい状態にあります。
また時間がたてばたつほど、髪や頭皮の雑菌が増えてしまい、嫌なにおいの原因にもなってしまいます。
ですので、すぐにでもドライヤーで乾かしてしまうのがベストです。
正しくドライヤーをあて、根元を中心に短時間でしっかりと乾かせば、ダメージも抑えられます。
キューティクルのカーブも一方向へと整うため、うねりや癖も落ち着きツヤも出ますよ。
海水浴の髪ダメージと予防策のまとめ
海水浴では髪にさまざまなダメージを受ける機会がたくさんあります。
ですが事前に対策していくことで、そのダメージを最小限にすることも可能です。
もちろん海水浴から帰った後の、ヘアケアも重要です。
しっかりとヘアケアや予防をして、存分に海水浴を楽しみましょう。