ビタミンCがたっぷりなことで有名な果物といえば、レモン!
文字を見ただけでも酸っぱくなりますね。
それでも美肌のために、一生懸命摂っているという人も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください!
じつは、果肉や果汁よりも「皮」の方が栄養価が高いということをご存知ですか。
ここでは、あまり知られていないレモンの皮がもつ驚くべきパワーについて、含まれる栄養素や効果的な食べ方を交えてわかりやすくご紹介いたします。
レモンの皮に含まれる栄養素
体に良いというイメージの強いレモン。
レモンには、どのような栄養があるのでしょうか。
中にはリモネンやサルベストロールQ40など、皮にしか含まれていない成分もあるようです。
さらに、皮に含まれるβ-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウムについては果汁の5〜10倍にもなると言われています。
それでは、ひとつひとつを細かく見てみましょう。
ビタミンC
レモンは「ビタミンCの代名詞」と言っても良いのではないかと思うほどメジャーな成分ですね。
ビタミンCは肌のハリ、ツヤを生むコラーゲンを作り出すのに必要な栄養素です。
また、風邪を予防したり、動脈硬化や心疾患などにも効果的とされています。
果肉の方が含まれる量が多いイメージですが、じつは皮の方に多く含まれているのです。
β-カロテン
β-カロテンは簡単に言うと、ビタミンAの一種です。
正確には緑黄色野菜に含まれる橙色の色素で、体内に取り込まれるとビタミンAに変換されるプロビタミンAという成分のひとつです。
β-カロテンには活性酸素の発生を抑え除去する効果があり、抗酸化作用を持っています。
抗酸化作用により、ガンや動脈硬化の予防にも効果的な成分です。
カリウム
カリウムには、体内の水分や塩分を調節し不要な分は体外に排出するはたらきがあります。
カリウムを多く含む食べ物といえば、バナナやアボカドが有名ですが、レモンにも含まれています。
カリウムの利尿作用により、むくみや高血圧の予防が期待できます。
カルシウム
カルシウムは、歯や骨を作る言わずと知れた成分です。
ミネラルの中で最も多く体内に含まれており、体重の1~2%を占めると言われています。
そのうち、約99%がリン酸カルシウムとして骨および歯のエナメル質に含まれ、残り1%がカルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内に含まれています。
日本人の食生活では摂取量が不足しがちな成分のひとつです。
カルシウムを十分に摂取することで、骨粗しょう症の予防につながります。
サルベストロールQ40
サルベストロールQ40は、ガンの予防や治療でも注目されている成分です。
抗がん物質としてがん細胞を排除するはたらきがあり、欧米では天然の抗がん剤として用いられることも。
サルベストロールのサプリメントを用いたガン治療や予防もおこなわれています。
リモネン
レモンの代表的な成分とも言えるリモネン。
レモンだけでなくさまざまな柑橘類に多く含まれています。
リラックス効果や育毛促進、食欲増進といった効果があり、アロマオイルなどにもよく使われている成分です。
ほかにも、血行促進や免疫力を高める効果もあるとされています。
また、リモネンもガン細胞のはたらきを抑える成分のひとつです。
レモンの皮に期待できる健康効果
体の免疫力を高め、風邪やガンなど病気の予防にはレモンの皮が有効であると言われています。
実際、どのような健康効果が期待できるのでしょうか。
風邪の予防
疲れていると免疫力が下がり、風邪をひきやすくなります。
レモンには疲労回復を促すクエン酸が、そして白血球の働きを助け免疫力を高める成分であるビタミンCやリモネンが豊富に含まれています。
また、抗酸化作用のある成分も多く含まれているため、風邪を予防し、健康な体の状態を保つことができるのです。
日頃からレモンを摂取していると、免疫力が高まり風邪をひきにくい体になりますよ。
抗ガン作用
皮にはガンの予防や治療に効果的とされるサルベストロールQ40、リモネンが多く含まれます。
この二つの成分には、がん細胞の生成を抑制するはたらきがあるということが多くの研究によりわかっています。
骨を丈夫にする
レモンにカルシウムのイメージはありませんが、実はレモンの皮にはカルシウムが多く含まれています。
ビタミンCとともに、骨を丈夫にする効果が得られます。
さらに、レモンには「キレート作用」というカルシウムを体内に吸収しやすくする作用のあるクエン酸も含まれているため、骨粗しょう症の予防にも適しています。
アンチエイジング
レモンには、強い抗酸化作用のあるビタミンCやβ-カロテンがたっぷり入っています。
これらはメラニンの生成を抑え活性酸素を除去することで、シミやシワを防ぎます。
また、カルシウムは肌のたるみや乾燥を防ぐため、美肌効果があるとされています。
レモンには、アンチエイジングにつながる成分がたくさん入っているのです。
血圧を下げる
皮には、ヘスペリジンをはじめとするフラボノイドが含まれています。
フラボノイドは植物が生産するポリフェノールの一種で、血圧に作用するとされています。
特にヘスペリジンには血圧を下げるだけでなく、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げたり、生活習慣病の予防や改善に役立つと言われています。
レモンの皮を取り入れる際の注意点
皮にこそ大事な成分が含まれているというのなら、まるごと料理などで取り入れたいですよね。
皮ごと栄養を摂ろうとするときに気になるのは、「農薬」や「防腐剤」などの有害物質。
どのような点に注意すれば安全に皮を使うことができるのでしょうか。
野菜洗い用の洗剤で丁寧に洗う
食器用の中性洗剤の中でも用途に「野菜」と記載されているものがあります。
しかし、野菜専用ではないのですすぎ残しが心配ですよね。
ネット通販などで探すと、貝殻やヤシの実などの天然由来の野菜用の洗剤が多く売られています。
これらを使って丁寧に洗うことで、皮に付着している防腐剤や農薬などはある程度落とすことが出来ますよ。
また、赤ちゃんの哺乳瓶洗い用の洗剤も野菜洗いを用途としているものがあります。
これなら近くのドラッグストアで簡単に手に入るので、気軽に使うことができますね。
国産の無農薬レモンを使う
スーパーで売られているレモンは大半が輸入品です。
輸入されたレモンには、船での長期の輸送に耐えられるように防かび剤が大量に使用されています。
収穫後に使用される農薬ということで「ポストハーベスト農薬」とも呼ばれています。
以前、社会問題になったことがあるのでテレビなどで見聞きしたことがある人もいるかもしれません。
日本ではポストハーベスト農薬は認可されていないので、国産レモンなら防かび剤の心配は不要です。
しかしながら、栽培時には除草剤を使用したり、店頭に並べるためにワックスを塗ったりと少なからず農薬などを使っているケースが多くあります。
洗うことである程度は落とすことができても残留農薬が気になる、という場合は「無農薬レモン」や「オーガニックレモン」などと明記されているレモンを使うと安心ですよ。
皮までおいしくいただく方法
レモンは果実より皮に栄養が多いということはわかりました。
問題は皮の「苦味」。
継続して摂りたいと思っても、苦味が強いとなかなか続けるのは困難になってしまいます。
「良薬口に苦し」とは言うものの、せっかくならおいしくいただきたいですよね。
食べにくい皮もおいしくいただける方法にはどういったものがあるのでしょうか。
レモンの皮を活かした食べ方をいくつかご紹介いたします。
レモネード
レモンといえば、レモネードですよね。
レモネードはレモンを薄切りにしてハチミツに漬け込むだけで作ることができ、飲むときは保存瓶からカップに取ってお湯を注げばすぐに飲めます。
ハチミツ漬けなら酸っぱいものが苦手な人でも酸味が和らぎ、また苦味もほどよく感じられる程度になるので、スライスしたレモンを丸ごと食べることができます。
寒い冬には体を温め、風邪予防にもなるのでひとつあると重宝します。
夏はさっぱりと炭酸水で割るのもおすすめです。
レモンピール
皮を食べるなら、レモンピールにして食べる方法があります。
レモンピールとは、お砂糖のシロップ煮にしたレモンの皮を乾燥させたものです。
レモンピールは製菓材料として、焼き菓子やパンなどによく使われています。
爽やかな香りも楽しめるので、いろいろなナッツやドライフルーツと一緒にパウンドケーキやパンに練り込んで焼くのもおすすめですよ。
乾燥させるとき、千切りにしたレモンピールにグラニュー糖をかければおやつがわりにも。
そのままおいしく食べることができます。
出来上がったレモンピールをチョコがけにすればお酒のおつまみにもなるので、こちらもおすすめの食べ方です。
マーマレード
お砂糖をお好みでプラスするだけでレモンを丸ごと使ったおいしいマーマレードが簡単に作れます。
本来、ジャム類を作るときには固めるためにレモン汁を入れたりするものです。
しかし、レモンの皮にはペクチンという成分がたくさん含まれているので、あれこれ加える必要がないのです。
程よい酸味と苦味がアクセントになり、パンに塗ったりヨーグルトに混ぜたり、いろいろ使えるので便利ですよ。
レモンの美容効果まとめ
今までは捨てることがほとんどだったレモンの皮。
これだけの健康効果を秘めていたとは驚きですね。
無農薬、ノーワックスの国産レモンと聞くと高価な代物に聞こえますが、1つ200〜300円で買うことができます。
箱買いしても、冷暗所に保存したり、ラップや紙に包んで冷蔵庫保存をすれば結構日持ちもします。
おいしく取り入れる方法もいろいろあるので、ぜひ試してみはいかがでしょうか。