秋の味覚の代表格といえば「栗」!
食欲の秋には欠かせない存在ですよね。
美味しいだけでなく、実は知られざるパワーを秘めたスーパーフード。
美容や健康に良い成分がたっぷりと含まれているのです。
本記事では、栗が美容と健康にどのような効果があるのか、成分からおすすめの食べ方までお伝えいたします。
魔法の木の実「栗」が持つ栄養成分
栗は栄養豊富な食べ物として、日本古来より食されてきた食べ物です。
驚くことに、縄文時代の遺跡から栗が発掘されたとう記録があります。
さかのぼること、九千年以上も昔の石器時代から食べられていたことがわかっています。
「魔法の木の実」とも称される栗ですが、どのような成分が含まれているかを意識して食べている人は多くはないでしょう。
たとえば、炭水化物、食物繊維、葉酸、カリウム、マンガン、銅、ビタミンA、ビタミンB1、B2、B6、ビタミンC、タンニン・・・
ざっと挙げただけでもこれだけあるのです。
特筆すべきは、ビタミンC。
ビタミンCは熱に弱いことが有名な栄養素ですが、栗においては例外です。
栗に含まれるビタミンCはでんぷん質に守られているため、加熱してもほとんど失われることなく摂取できるのです。
100gあたり33㎎ものビタミンCが摂れ、その量はみかん1個分に匹敵します。
りんごなら、なんと5個分です!
それ以外にも、食物繊維や葉酸も多く含まれているのが特徴です。
栗が秘める美容・健康の効果とは
小さなひと粒にたくさんの栄養が詰め込まれた栗ですが、具体的にどのような効果を得られるのでしょうか。
美容と健康に関する効果に着目して調べてみました。
美肌
栗に豊富に含まれるビタミンCは、美肌には欠かせない成分です。
ビタミンCには、コラーゲンを生成したり、シミの原因であるメラニンの発生を抑える役割をしています。
肌のハリ、ツヤを保ち、そばかすやシミを防ぐ美肌効果が期待できます。
疲労回復
ビタミンB1は疲労回復のために必要な成分です。
疲労の原因である乳酸を分解するはたらきがあります。
疲労回復に効果的な食材として有名なのは、豚肉や玄米ですよね。
あまり知られていませんが、栗もそのひとつに挙げることができます。
というのは、実は栗に含まれるビタミンB1は玄米を上回るからです。
100gあたりに含まれるビタミンB1の含有量としては、もっとも多く含まれるとされるのは豚ヒレ肉で2.09mg。
植物性の中では多い部類とされる玄米で0.16mgであるのに対し、栗は0.21mgと上回っていることがわかります。
むくみ解消
栗にはカリウムも多く含まれています。
カリウムには、体内の余計な塩分や水分を排出する働きがあります。
バナナもカリウムが豊富な食べ物ですが、栗はそれ以上に含まれています。
塩分の調整をおこなってくれる成分なので、むくみの解消だけでなく高血圧予防にもつながりますよ。
アンチエイジング
シミやシワを防ぎ、肌のハリ・ツヤを保つ美肌効果をもたらすビタミンCが豊富であることは前述したとおりです。
栗にはビタミンCだけでなく、抗酸化作用のあるタンニンが渋皮にはたくさん!
タンニンはポリフェノールの一種で、老化の原因となる活性酸素を取り除く役割があるため老化防止にたいへん効果的な栄養素です。
それ以外にも、髪や肌を美しく保つために必要なビタミンB6も含まれています。
これらにより、アンチエイジングの効果も望めるのです。
貧血予防
血液を作るはたらきをする葉酸や銅が含まれているため、貧血予防にも効果的です。
貧血になりがちな妊婦さんにもおすすめですよ。
葉酸は、妊活中〜妊娠初期の積極的摂取をすすめられている栄養素です。
貧血予防だけでなく、脳や神経、心臓など赤ちゃんの体の重要な部分を形成する時期に必要とされる成分で、神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるはたらきがあります。
便秘解消
食物繊維を多く含む栗は、便秘解消にも非常に効果的です。
栗の食物繊維はごぼうや玄米と同様、不溶性食物繊維です。
水に溶けず、胃や腸の中で水を含み膨らむことにより蠕動(ぜんどう)運動を促進し便通を良くします。
また、腸内環境を整える働きもあるため便秘解消に良いというわけです。
ダイエット
骨や関節を丈夫にするマンガンが含まれ、エネルギー代謝をアップする効果があります。
代謝が上がると痩せやすい体を作ることができるため、ダイエットにもつながります。
栗にはむくみや便秘を解消する効果もあるので、意外にもダイエット向きの食材なのです。
栗を食べるならコレ!おすすめの食べ方とは
ご飯に混ぜたりおやつで食べたり、栗の食べ方はいろいろあります。
でも、せっかくなら効果も丸ごとおいしくいただきたいですよね。
ここでは、おすすめの食べ方についていくつかご紹介いたします。
栗ご飯
栗といったらまず思い浮かぶのは栗ご飯ではないでしょうか。
栗が出る頃は新米のシーズンでもあり、栗ご飯は秋の味覚を存分に楽しめる方法です。
栗のビタミンCは熱に強いので、炊き込んでも大丈夫です。
仮に水に流れ出てしまっても、栗ご飯なら水分ごと体に取り込めますね。
しかしながら、シーズン中に一度は食べたくなる食べ方ですが、生の栗を剥いて炊き込むのはかなりの手間と労力がいります。
そんな時には、市販の甘露煮でもOK。
ご飯を炊くときに栗と調味料を入れて炊くだけで、手軽に食べることができるのでおすすめです。
渋皮煮
アンチエイジングに効果的なのは、栗の渋皮煮です。
名前の通り渋みが強い渋皮ですが、渋皮煮にすることで皮ごと丸っと食べることができポリフェノールも同時に摂ることができます。
栗きんとん
きんとんの餡の部分に使われることが多いさつまいもも、言わずと知れたスーパーフードです。
ビタミンやミネラル、そして食物繊維を多く含むさつまいもも同時に食べることができるおすすめの食べ方です。
茹で栗/焼き栗
なんといっても、一番手軽に味わうことができるのは茹でたり焼いたりする方法です。
栗本来のホクホク感や自然な甘みが感じられる食べ方です。
硬い殻を剥く必要もなくお水で茹でる、またはフライパンで炒るだけなので手間もかかりません。
余計なものが一切ないので、子供のおやつにも最適ですね。
たくさん食べても大丈夫?注意することはある?
おいしいのでついつい手が伸びてしまう栗ですが、ここまで見てきたようにとても栄養価の高い食品です。
効果的に栄養が摂れるベストな量はいくつくらいなのでしょうか。
また、食べ過ぎてしまうとどのような影響があるのでしょうか。
適量は5〜10粒
美容や健康に良いからといって、一度にたくさん食べるのはNG!
子供は5粒、大人でも10粒までが適量の目安と言われています。
メリットの多い食物ですが、食べ過ぎると逆効果を生んでしまうのでご注意を。
太ってしまう
栗は5粒でご飯1杯と同じくらいのエネルギーがあり、高カロリーな食材です。
食物繊維が多くダイエット向きの食材ではありますが、糖質が高いため摂り過ぎると逆効果になってしまうので注意が必要です。
腹痛や便秘・下痢
食物繊維が豊富に含まれているので、適量を食べるには便秘解消につながります。
ただし、不溶性食物繊維であるため、一気に食べ過ぎると腸内において水分で膨らみ腹痛を起こすことがあります。
お通じをよくするために食べたのに、逆に便秘になってしまったり、消化不良を起こして下痢になってしまうことがあリます。
ニキビ
栗は糖質・脂質が多いため、食べ過ぎてしまうと皮脂の分泌が増え毛穴が詰まることがあります。
毛穴の詰まりはニキビや吹き出物の原因に。
美肌効果があるからといって、食べる量を間違えると肌荒れを起こすので要注意です。
栗が持つ美容健康効果のまとめ
美味しいだけでなく、嬉しい効能が盛りだくさんの栗。
たった数粒で必要なエネルギーと栄養素が摂れてしまう、これぞまさにスーパーフード!
ご飯からおやつ、デザートまでいろいろな方法で美味しくいただき、美と健康を手に入れてみませんか。